532 玉環のペンダント

彼女は矢崎美緒の考えていることが本当に理解できなかった。

こんな重要な時期に、自分を怪我させるなんて。

矢崎美緒は頷いて、その符紙を受け取り枕の下に置いた。

そして、竜田実子は続けて言った。「小林瑞貴と小林哲にもっと可愛がってもらえるように工夫して、同時に、機会を見つけて密かに矢崎粟の運気を吸い取るのよ。」

そう言うと、彼女は玉環のペンダントを取り出し、矢崎美緒に着けてあげた。

矢崎美緒は頷いて、「はい、分かりました。」と答えた。

竜田実子は続けて言った。「このペンダントには運気を奪う陣法が仕込まれているわ。矢崎粟の三メートル以内に近づいて、心の中で呪文を唱えれば、彼女の運気を吸収できるの。分かった?」

矢崎美緒は「分かりました、竜田おばさん。」と答えた。

その後、彼女は少し不満そうに額の傷に触れて、「竜田おばさん、傷跡を治す軟膏はありませんか?傷跡が残ると、撮影の時に具合が悪いんです。」