549 他の証拠

矢崎若菜と矢崎政氏の二人はちょうど家にいた。

矢崎弘から電話がかかってきて、二人もすぐに車で出発した。

十分後、三人は病院の入り口で集合した。

病室で、澤田霞は不思議そうな顔で尋ねた。「粟、小林美登里が呪いの毒に感染したって？いつの話？私たち小林家は全く知らなかったわ」

小林潤も矢崎粟を見つめ、目に緊張の色が浮かんでいた。

小林美登里は彼らの最愛の末娘で、彼女が呪いの毒に感染したと聞いて、心配せずにはいられなかった。

矢崎粟は推測して言った。「矢崎夫人が呪いの毒に感染した後、お腹が妊娠六ヶ月のように膨らみ、体にも浮腫みがありました。彼女は自分のイメージを壊したくなかったのでしょう」

この数日間、小林美登里は家から一歩も出ず、セレブ婦人の集まりにも参加していないと聞いて、明らかに自分のイメージを気にしていた。

小林家に戻って、小林家で話し合いになれば、きっとセレブ婦人のサークル全体に知れ渡ってしまうだろう。

「ああ！」小林瑞貴は苦々しい表情で、思わず尋ねた。「じゃあ、僕もお腹が膨らむってことですか？」

小泉西は心の中で辛かった。

長男はいつもかっこよかったのに、もし本当にひどい姿に変わってしまったら、母親として心が痛む。

矢崎粟は首を振って言った。「この呪いの毒は男女で症状が異なります。女性の場合はお腹が膨らみ、男性の場合は生殖能力に影響を与え、勃起不全になります」

呪いの毒が解けない限り、小林瑞貴はもう性行為ができなくなる。

小林瑞貴は真っ青な顔をして、さらに憎しみを募らせた。「それじゃあ、僕は宦官と何が違うんだ？」

彼は男女の関係にそれほど執着はなかったが、その能力を失うことは耐えられなかった。

小林哲は拳を握りしめ、顔を青ざめさせて言った。「もしこれが叔母さんの仕業だったら、誰も止めないでくれ。兄さんの仇を討つ！」

小林瑞貴は放蕩息子に見えたが、実は家業を継ぐための準備を着々と進めていた。

もし生殖能力の問題で、これまでの準備が水の泡になるなら、小林哲は必ず叔母に代償を払わせるつもりだった。

小林潤は深いため息をつき、末娘を庇う言葉も出てこなかった。今は、これが末娘の仕業ではないことを願うばかりだった。もし本当に彼女がやったのなら、助けることはできない。