550 呪いの毒に感染

矢崎若菜は顔色が悪く、怒りの声で言った。「お母さんがこんなことをするなんて知るわけないでしょう?本当に波乱が続くわね。お母さんはどうして少し休んでくれないの?いつも私たちを困らせることばかりして。この件は、美緒とも関係があるはずよ。」

矢崎弘は冷たい声で言った。「考えるまでもないだろう?美緒が家にいる限り、家の中が落ち着くわけがない。母さんは相変わらず美緒を宝物扱いしているし、何を考えているのか分からないよ!」

彼は本当に怒り死にそうだった。

兄弟たちは病室で、この件について愚痴をこぼし始め、母親をかばう様子は全くなかった。

どうせこの件は隠しきれないのだから、いっそのこと包み隠さず話し合おうということだった。

矢崎弘は考えれば考えるほど、母親に対する怒りが増していった。

小林潤は眉をひそめ、苛立ちを含んだ口調で言った。「つまり、本当にあなたのお母さんは呪いの毒にかかっているということ?」

もしこれが本当なら、小林瑞貴に移ることも十分ありえた。

矢崎弘は唇を引き締め、頷いた。「ああ、母さんのお腹は異常に膨れていて、家では多くの玄学師に診てもらったけど、誰も治療法を見つけられなかった。母さんは別の大師が出てくるのを待っているんだ。」

小林哲は拳を強く握り、歯を食いしばった。

傍らにいた矢崎粟がパソコンを持ってきて、ベッドの横のテーブルに置き、「これが新しく整理された証拠です。もう一度見てください」と言った。

すると、病室の人々が全員首を伸ばして見始め、小林昌と田中千佳が最前列に詰めかけた。

映像には、矢崎家の正門から車が出てきて、運転席には矢崎家の運転手と別の女性が座っているのが映っていた。

矢崎弘はその女性を指差して言った。「この人は母さんのアシスタントだ。」

皆が後部座席を見ると、そこには矢崎美緒と小林美登里が座っていた。

小林美登里はマタニティ服を着て、帽子もマスクもしていなかったので、はっきりと見えた。

「この人はお母さんだ!」矢崎政氏が驚いて叫んだ。

皆が映像を見続けると、車はかなりの距離を走り、最後にある通りで停車した。

小林瑞貴は眉を上げ、興奮した様子で言った。「この通りの向かい側、これは私があの夜行ったバーだ!」