小林美登里は心の中で矢崎粟を激しく罵った。
矢崎粟がいなければ、家族も彼女にこんなに冷たい態度を取ることはなかったはずだ。
小林美登里は冷たい表情で、辛辣に言った。「矢崎粟、六ヶ月以上生きられないって言ったのはあなたでしょう?あなたの嘘よ!もし甥に何かあったら、それはあなたが呪ったせいよ」
矢崎美緒が紹介した呪術師と矢崎粟の間では、彼女はその呪術師を信じていた。
その人は正統な呪術師で、年齢も経験も豊富で、矢崎粟のような若い玄学師とは比べものにならない。
彼女は少し考えてから、反問した。「あの人は私の呪虫を移すことができるんだから、きっとあなたより実力があるはず。あなたに本当に実力があるなら、なぜこの呪いの毒を直接解けないの?」
矢崎粟は少し笑って言った。「分かったわ。あなたは自分に呪虫を移すことに害がないと自分に言い聞かせることで、甥を害することに罪悪感を感じないようにしているのね」
これも彼女の責任逃れの方法だった。
小林美登里は一瞬固まり、腹を立てて「何を言い出すの?私はそんなふうに考えていないわ」
小林美登里はすぐに小林悠一の方を向いて「お兄さん、あの呪術師は本当に大きな害はないって言ったの。唯一の悪影響は少し生殖能力に影響があるだけよ。私を信じて。矢崎粟は私と仲が悪いから、わざとあなたたちの前でデタラメを言っているのよ」
小林悠一の目は冷たかった。「私が信じると思うのか?」
小林美登里が何も言わずに呪いの毒を小林瑞貴に移してから、彼は小林美登里への信頼を失った。少なくとも矢崎粟は彼らの家族を害したことはなかった。
それに、彼は矢崎粟の人柄を信じており、誹謗中傷のためにウソをつくようなことは絶対にないと確信していた。
小林美登里は驚いて叫んだ。「お兄さん、どうして私を信じてくれないの?私はあなたの一番可愛がっていた妹なのに…」
彼女の言葉は小林悠一に遮られた。
「これからは妹として認めない。年末年始も我が家に来るな。今日から、絶縁だ」
彼は今になって、矢崎粟が当時絶縁を選んだ気持ちが分かった気がした。
この瞬間の彼の心は、とても固かった。
小林美登里は一瞬固まり、目に痛みの色が浮かんだ。「お兄さん、私を信じて!嘘なんてついていないわ。瑞貴のことを考えても、もう少し考え直してほしい」