矢崎粟はまた矢崎美緒と運気を争い、矢崎美緒を運気の平凡な人間に変えてしまった。彼女は運気の一部を失い、さらに矢崎美緒によって反噬を受けた。
これらの一連の出来事は、老人の心を不快にさせた。
彼は目に殺意を宿して言った。「澤蘭子に矢崎粟をもっと嫌わせる策を講じ、澤蘭子に藤村慎一を使って矢崎粟を始末させろ。藤村慎一が矢崎粟を殺せば、それに越したことはない。」
老人は一旦言葉を切り、続けた。「もし矢崎粟が藤村慎一を殺せば、面白いことになるだろう。」
藤村邦夫と藤村慎一は師兄弟で、藤村邦夫は南西の呪術王と称され、藤村慎一は若い世代で最も優れた呪術師だった。二人とも呪術師の長である藤村敦史の弟子だった。
藤村敦史は仇は必ず報いる性格で、矢崎粟が二人の弟子を害したことを知れば、必ず矢崎粟に復讐しに来るだろう。