590 病人を見舞う

「一緒にバラエティー番組に出た人たちを誘えば、きっと楽しくなるよ。」小島一馬は期待に満ちた表情で言った。

矢崎粟はグレープフルーツジュースを一口飲んで、何かを思い出したように笑って言った。「いいわね。撮影が終わったら、リラックスがてら集まりましょう。」

彼女はここ数日地図を研究し、多くの資料を調べて、ようやく具体的な場所を解読できた。

今回の旅行で、探してみることができる。

何か発見があればなお良いし、すぐに見つからなくても、観光として楽しめばいい。

「いいね!」小島一馬は心の中で興奮していたが、大笑いを抑えた。それでも、上がった口角が気持ちを漏らしていた。

ナプキンで口を拭いながら、突然落ち込んだ様子で言った。「前に見た島は、この3ヶ月間閉鎖されているから、行けなくなっちゃった。」

本当は粟を連れて潮干狩りに行くつもりだったのに。

海風に吹かれながら、二人で砂浜を歩き、頭上をカモメが飛んでいく、そんな素敵な光景になったはずなのに。

「大丈夫よ、他の場所を選べばいいわ。」矢崎粟は少し考えて提案した。「確か景色の良い場所があったわ。確か霊木の谷って言うところ。バーベキューやキャンプに適してるの。そこにしない?」

もちろん、彼女が言っているのは地図に記された場所のことだ。

今回は旅行という名目で、地図上の場所を探りに行けば、監視の目を避けることができる。

背後の人々は、彼女がこんなに早く場所を見つけるとは思わないだろうし、この時期に彼女に手を出すことはないはず。小島一馬たちの安全も保障される。

「問題ないよ。じゃあそこにしよう。具体的な住所を事前に送ってくれれば、ホテルの予約とか情報収集とかやっておくよ。」小島一馬はにこにこしながら言った。

一緒に出かけられるだけで、彼は満足だった。

ちょうど新しいキャンプ用品一式を買ったところだし、使えるようになる。

小島一馬は食事を終えると、スマートフォンを取り出して森田輝たちにメッセージを送り、時間があるかどうか尋ねた。

森田輝はメッセージを見るとすぐに時間があると返信した。

彼女のバラエティー番組もまもなく撮影が終わるところで、ちょうど気分転換したいと思っていたところだった。友達と一緒に出かける機会が本当にできて、きっと楽しくなるはずだ。

彼女は既に何をしようか楽しみにしていた。