矢崎粟はゆっくりと言った。「この数珠は体に良いもので、一時的に生気を回復させ、体調を少し改善することができます。」
この青雲院の人々の立場は矛盾していた。この数珠を渡したということは、田中浩の病気についてよく知っているはずなのに、すぐには凛に病因を告げなかった。これは一体なぜだろうか?
もしかして青雲院は背後にいる人物を知っていて、その人物を怒らせないようにこうしているのだろうか?
この数珠を渡したのも、凛と田中おじさんへの隠し事の埋め合わせなのだろうか?
矢崎粟は考えれば考えるほど、この件が単純ではないと感じ、自分で確かめてみることにした。
矢崎粟は法力で探った後、数珠を明かりに照らしてよく見てみると、案の定、数珠の一つの玉の側面に小さな数字の列を見つけた。それは誰かの生年月日時のようだった。