602 憤懣やるせない

とにかく彼は矢崎美緒の後ろに立って、美緒のために正義を取り戻すつもりだ!

小林博は矢崎美緒を慰め、今夜荷物をまとめて飛行機に乗り、明朝には必ず病室に来て彼女の世話をすると約束した。

矢崎美緒はようやく満足して電話を切った。

電話を切った後、矢崎美緒は病室で自分の写真をもう一枚撮り、わざと顔色を更に青白く加工し、額の傷跡を見せ、足のギプスがカメラに映るようにした。

写真の自分が十分惨めに見えることを確認してから、やっと安心して小林博に送信した。

小林博は兄弟の中で一番彼女を可愛がっていた。

以前、彼女がブランドバッグが欲しいと言った時、小林博は多くの友人に連絡して購入を依頼し、最後は高額で買い取った。ただ彼女を喜ばせるためだけに。

矢崎粟が帰宅してからは、小林博の矢崎粟に対する態度が最も悪かった。