小林博は両手を上げて、委屈そうに言った。「母さん、僕たち本当に何もしてないよ。いつも悪く考えないでよ。」
同じベッドに横たわっただけなのに、本当に冤罪だった。
田中千佳は冷たい表情で彼を睨みつけ、「何もしてないのにベッドで寝るの?そんな言い訳、あなた自身が信じてるの?他人が信じると思う?本当に恥知らず!」
彼女はこの愚かな息子に呆れ果てていた。
矢崎美緒と多くの男性との親密な写真がまだネット上に出回っているのに!今度は息子の写真も加わるつもりなの?
幸い芸能記者たちがこのニュースを嗅ぎつけなかったから良かった。さもなければ、明日には病院全体が人で溢れかえり、小林家の面目は丸つぶれになっていただろう。
田中千佳は椅子で小林博のお尻と足を何度も強く叩いた後、椅子を床に投げ捨て、矢崎美緒の方を厳しい目で見つめた。「美緒、うちの小林家の次男があなたに何か悪いことでもしたの?」
矢崎美緒は布団の中にいて、体を布団でしっかりと覆い、涙を流しながら言った。「叔母さん、私とお兄さんは潔白です。」
彼女はしばらく泣いた後、こう言った。「お兄さんが夜勤で来てくれて、私は心配で。少し横になって休んでもらおうと思っただけで、叔母さんが言うようなことは…」
「心配?あなたが彼のことを心配するなら、飛行機で帰国させて、病室で看病させるの?」田中千佳は怒りで声を荒げた。
息子は卒業後、国から選ばれて野生動物のカメラマンとなり、遠い森で撮影をしていた。将来は明るく、テレビ局の重要な人材になれるかもしれなかった。
もしこの件が広まれば、重点育成対象どころか、この仕事を続けられるかどうかも分からない。
これが小林博を心配することなの?
田中千佳は矢崎美緒の言葉に激怒し、袖をまくり上げて矢崎美緒の前に走り寄り、彼女の顔を平手打ちした。
「この淫らな女!矢崎家が福祉施設からあなたを引き取ったのに、矢崎家の兄弟たちを台無しにするだけでなく、今度は私の家まで狙うの?私の息子にまで手を出すつもり?」
「この死に値する売女!あなたが小林家に来るたびに、私は実の娘のように接してきた。粗末に扱わないように気を使ってきたのに、これがあなたの恩返し?」
「入院中じゃなければ、服を全部剥ぎ取って、通りに放り出して通行人に罵らせてやるところよ!」