646 また一人の呪術師が現れる

矢崎家の三兄弟は逃げ出すなんてしない。守るなら一緒に守るのだ。

それでこそだ!

矢崎若菜は困惑した表情を浮かべながら、虫が車椅子を伝って次々と彼の足に這い上がってくるのを見ていた。しかし、激しく動くことはできず、また足を骨折することを恐れていた。

彼は苦しそうに言った。「二番目のお兄さん、四番目の弟、早く助けて!足に虫がいっぱい這い上がってきたんだ!」

早く助けてくれないと、足が虫に食い荒らされてしまう。

矢崎政氏は素早く飛びかかり、服で払いながら言った。「三番目のお兄さん、少し離れた方がいいよ。テントの入り口にいないで。ここは毒虫が一番多いから。」

矢崎若菜は苦々しい表情で言った。「離れたら、野獣が来たらもっと大変じゃないか?毒虫に刺されるほうがましだ。」

一人でここを離れたら、もっと危険かもしれない。