「はい、証拠は原部長に渡しました。後の手続きはあなたたちにお任せします」と矢崎粟は笑いながら言った。
岡田啓斗は頷いて、「問題ありません!この男は私が引き受けます」と答えた。
すぐに、岡田啓斗は呪術師に手錠と足枷をかけ、連行していった。
矢崎粟は原部長にメッセージを送り、玄学管理所がしっかりと調査を行い、この男と澤蘭子の共謀の証拠を見つけ出し、早急に澤蘭子を逮捕することを願った。
原部長は返信した。【ご安心ください。必ず公正に処理します】
矢崎粟は口角を上げ、目にも笑みを浮かべた。
これで澤蘭子は逃げられない。
彼女は小島家と森田家と共に玄学管理所に正義を求め、玄学管理所がこの件を公正に処理せざるを得なくなるようにするつもりだった。
藤村慎一は取締車に乗り込み、むしろ心が少し落ち着いた。
彼は矢崎粟の側にいると口封じに遭うかもしれないと感じていた。
玄学管理所に行けば、有罪が確定するまでは少なくとも命の危険はない。
藤村慎一は昨夜の体の痛みを思い出し、思わず深いため息をついた。
矢崎粟は本当に恐ろしい!今後は彼女から距離を置き、二度とこの女魔王と対峙するまいと思った。
岡田啓斗が容疑者を連れて行った後、矢崎粟は同行していた他の人々を呼び集め、荷物をまとめて古里に戻る準備を始めた。
昨夜の出来事を経験し、皆も霊木の谷での観光を楽しむ気分ではなくなっていた。
矢崎粟たちは民宿に戻った後、一日休養を取り、夜には近くの空港から飛行機で東京に戻った。
飛行機に乗る際、青い蛇は矢崎粟のバックパックの中で、じっと動かずにいた。
矢崎粟は法力を使って、探知機器の磁場を変えた。
そのため、セキュリティチェックの際、小蛇は発見されることなく、矢崎粟と共に無事に東京に戻ることができた。
森田廣たちは東京に戻ると、まず近くの病院に集団で行き、体の噛み跡に薬を塗った。
矢野朱里は昨夜の藤村慎一の犯行ビデオを受け取り、そのまま祖父母の家に戻った。
彼女は矢崎粟に自分の考えを話し、矢崎粟も大いに支持した。
矢崎粟はアパートには戻らず、師匠が残した大きな別荘に向かい、自身の修養をさらに高めようと準備した。
師匠は別荘に陣法を設置しており、矢崎粟だけが出入りできた。