矢崎粟は冷笑して、「失礼といえば、あなたは本当に私に失礼でしたよ。品性が下劣で偽善的で、私の気分を悪くさせた。これは失礼じゃないんですか?」
この老いぼれの偽善的な様子を見て、彼女が何も気付いていないと本当に思っているのか?
彼女の言葉が終わると、その場にいた人々は皆驚いて目を見開き、信じられない様子で矢崎粟を見つめた。
さすが矢崎粟だ、大胆すぎる。
道家協会の首席にまで喧嘩を売るなんて、後で堀大師に報復されても構わないのか。
堀信雄は不機嫌な表情で、冷たい口調で言った。「矢崎道友、それは強弁というものだ。私はあなたの先輩なのだから、もっと敬意を示すべきだ。どうしてそんな傲慢な言葉を吐けるのか?」
彼はこのような侮辱を受けたことがなく、いつか必ず矢崎粟に償わせてやる。
矢崎粟は言った。「私は品格の高い先輩だけを尊敬します。あなたは自分が品格が高いという評価に値すると思いますか?よく考えてみてください。」
その言葉を聞いて、傍らの小林博は完全に感服した。
道家協会の首席に対してもこれほど傲慢な態度を取る矢崎粟だ。前回バーで殴られた自分なんて、取るに足らないことだったんだ。
小林博の心にはまだ少しの恨みが残っていたが、今はそれも完全に消え去った。
あの時の殴打は、矢崎粟が手加減していたのだ。
堀信雄はこれを聞いて完全に怒り出し、森村辰雄の方を向いて言った。「辰雄、私に代わって矢崎粟の師匠に、彼女に師を敬い道を重んじることを教えてやってくれ。」
「はい!」森村辰雄は目に邪悪な光を宿し、手から邪気を放って矢崎粟の胸に向かって攻撃を仕掛けた。
もしこの邪気に当たれば、矢崎粟は必ず気を失い、半月もの間寝込むことになるだろう。
その邪気は、矢崎粟の丹田にまで入り込み、爆弾のように彼女の修行を制御することができる。
矢崎粟は口角を少しゆがめ、慌てることなく手を伸ばして防いだ。
手には例の玉の皿があった。
玉の皿はもともと極めて凶悪な法器で、相手の邪気を全て吸収し、さらに森村辰雄の方向へ素早く凶気を放った。
その凶気は素早く激しく、森村辰雄の胸に直撃した。
森村辰雄は思わず悲鳴を上げ、素早く後ろに一歩下がり、顔中に苦痛の表情を浮かべた。
彼は胸の辺りが炎で焼かれているような感覚に襲われ、痛くて熱かった!