小林博も頷いた。
病床の小林瑞貴は信頼に満ちた表情で矢崎粟を見つめ、その目には期待と希望が溢れていた。
矢崎粟は少し笑って、「いいですよ」と答えた。
彼女には発言権があってこそ、堀首席を試すことができ、相手と対等に渡り合える自信を持てる。これは彼女の思惑通りだった。
その言葉を聞いて、傍らの小林美登里は騒ぎ出した。「何が『いい』だって?これは小林家の家庭の問題よ。あんたなんかに決める権利なんてないわ。お兄さん、あなた正気?あなたこそがこの件を決めるべき人でしょう!」
彼女は怒りに満ちた目で矢崎粟を睨みつけ、まるで仇敵を見るかのようだった。
小林博は不機嫌になった。「お前こそ小林家の部外者だろう。家から追い出されて、もう家系図にも載っていないのに、何の権利があって反対するんだ?」
小林美登里は小林博を指差し、怒鳴った。「どんな事があっても、私はあなたの目上なのよ。あなたに口を挟む資格なんてないわ。お兄さん、お姉さん、この無礼な子を何とかしてよ!」
しばらく会わなかった間に、小林博が公然と彼女の面子を潰すようになっていた。これは小林美登里を大いに怒らせた。
彼女は今や小林家本家の恩人なのだ。
彼女が堀首席を連れてこなければ、誰が小林瑞貴の病を治せると保証できただろうか?
小林博は冷たい声で言った。「私にはあなたのような薄情な目上はいない。これからはもう認めないからな。」
小林美登里は怒り心頭で、罵りを口にしようとしたが、小林悠一に制止された。
小林悠一は二人を睨みつけ、威厳のある声で言った。「もし口論を続けるなら、二人とも出て行ってもらう。ここは口論する場所じゃない!それに、粟に小林家を代表させるのは私の決定だ。」
彼は小林美登里を見て、「余計な口を挟むな」と言った。
小林美登里は不満そうに、口を尖らせて言った。「お兄さんは本当に恩を仇で返すのね。私が苦労して堀首席を連れてきたのに、少しも顔を立ててくれない。これじゃあ、今後誰が小林家本家を助けてくれるっていうの?」
この言葉を聞いて、小泉西は歯ぎしりして怒った。「よく言えたものね。あなたが呪いの毒を瑞貴に移さなければ、瑞貴がこんなに苦しむことはなかったはずよ。」
彼女は小林美登里の高慢な態度が我慢できなかった。本当に小林家本家を助けたと思っているのだろうか?
あまりにも笑止だ!