小林博も頷いた。
病床の小林瑞貴は信頼に満ちた表情で矢崎粟を見つめ、その目には期待と希望が溢れていた。
矢崎粟は少し笑って、「いいですよ」と答えた。
彼女には発言権があってこそ、堀首席を試すことができ、相手と対等に渡り合える自信を持てる。これは彼女の思惑通りだった。
その言葉を聞いて、傍らの小林美登里は騒ぎ出した。「何が『いい』だって?これは小林家の家庭の問題よ。あんたなんかに決める権利なんてないわ。お兄さん、あなた正気?あなたこそがこの件を決めるべき人でしょう!」
彼女は怒りに満ちた目で矢崎粟を睨みつけ、まるで仇敵を見るかのようだった。
小林博は不機嫌になった。「お前こそ小林家の部外者だろう。家から追い出されて、もう家系図にも載っていないのに、何の権利があって反対するんだ?」