716 解放への道

矢崎粟は小蛇を弄びながら、口を開いた。「洞窟の中でたくさんの霊石を見つけたわ。もちろん、あなたを助ける方法も分かったの。」

彼女は知っていた。先輩が彼女にこれほど協力してくれたのは、ただこのことのためだと。

先輩の願いを叶えてあげてもいいのではないか?

「詳しく聞かせてくれ!」

藤田川の瞳が光り、いつもの悠然とした表情にも緊張の色が浮かんだ。

矢崎粟は言った。「洞窟の壁にあなたの状況が記されていて、解決の秘術も書かれていたの。私はすべて覚えたわ。小林瑞貴の呪術を解いた後で、その秘術をあなたに教えるわ。秘術を習得すれば、あなたは自由になれるはず。」

その言葉を聞いて、藤田川は尋ねた。「妹よ、その方法は本当に成功すると確信しているのか?」

彼は知っていた。期待が大きければ大きいほど、失望も大きくなることを。