728 木簪に変身

矢崎粟はゆっくりと言った。「剛洋って名前でいいかな!」

小蛇と剛洋、名前がぴったり合っている。

詳しい説明は必要ない、これが彼女の霊獣と霊草だとみんな分かっている。

蔓は興奮して根を引き抜き、土のついた根で地面をピョンピョン跳ね、枝で親しげに矢崎粟の手を撫でた。とても機嫌が良さそうだった。

矢崎粟は小さな霊石を一つ取り出し、手のひらに乗せて蔓に差し出した。

蔓は枝で霊石を受け取り、根元に突然裂け目が現れ、その中に霊石を入れた。

しばらくすると、霊石はバリバリと音を立てて食べ尽くされた。

矢崎粟は微笑んで言った。「これからは霊石をもっと用意しないとね」

さもないと、二匹の使い魔の餌も満足に与えられない。

蔓は霊石を食べ終わると、枝を素早く引っ込め、蔓全体も急速に縮んで、最後は一本の木の枝のような姿になった。