727 極上の霊草

彼女は蔓を地面から引き抜き、鉢に移植し、少し法力を注入した。

その後、家に入り、霊石を砕いて鉢に肥料として入れた。

もし修行者がこの光景を見たら、きっと心を痛めることだろう。

これは滅多に手に入らない極上の霊石で、一つの価値が数千万にもなるのに、どうして死にかけの蔓の肥料にできるのか?

しかし矢崎粟は知っていた、この蔓は最高級の植物だということを。

十分な霊力がなければ、霊智を開くことも、進化することもできない。

今夜が過ぎれば、蔓は回復し、小蛇のように自分の霊智を持つことができる。

矢崎粟は、自分の運がとても良いと感じた。また一つ極上の霊草を手に入れたのだから。

準備が終わると、小蛇を部屋の巣で寝かせた。

小蛇は満腹で、小さなお腹が膨らみ、目を閉じて体を丸めて怠そうにしており、とても気持ちよさそうだった。

矢崎粟は二度撫でてから、法術の本を持って机の傍に座った。

しばらくすると、携帯が二回振動するのに気付いた。

先輩からのメッセージだった。

藤田川:【藤村敦史が中華街を離れたのを感じ取ったが、君は大丈夫だったか?】

実は彼はずっと待機していて、矢崎粟が必要とすれば、すぐに出動するつもりだった。

矢崎粟:【大丈夫よ、私が怒らせて追い払ったの。小蛇が彼の毒虫の大半を食べちゃって、彼は納得できなかったみたいで、帰る時に仕返しすると言ってたわ。】

藤村敦史が怒りで首筋の血管を浮き出させていたのを思い出すと、笑いたくなった。

本当に面白かった。

毒虫を全部食べきれなかったのが残念だった。もし全部食べていたら、藤村敦史は完全に崩壊していただろう。

でも、もし彼が本当に完全に崩壊していたら、小蛇はきっと怪我をしていただろう。

藤田川は少し考えて、首を振って笑った。【君ったら。これからは気をつけてね。あいつは小心者だから、面と向かって仕返しすると言ったからには、きっとチャンスを狙ってくるよ。】

矢崎粟:【大丈夫、怖くないわ。私が追い払わなくても、彼は私を挑発して手を出させようとしただろうから、むしろ私から状況をコントロールした方がいいの。】

藤村敦史が来る以上、代償を払う覚悟はあるはずだ。

矢崎粟も見抜いていた。藤村敦史はその時、直接小蛇を殺そうとしていた。矢崎粟は当然小蛇の仇を取らねばならず、だから小蛇にもっと食べさせたのだ。