「では、あなたからの連絡を待っています。良い知らせであることを願います。あの人に懲らしめられて、南西部族に尻尾を巻いて帰ってくるようなことにならないように」と矢崎粟はゆっくりと言った。
彼女の表情は淡々としており、目には波風一つ立てていなかった。
そんな無関心な態度が、藤村敦史の怒りを一層煽った。
彼は矢崎粟が自分より強いことを妬み、さらに彼女の天賦の才能も、運気までもが一級品であることを妬んでいた。
天はなんてこうも不公平なのか。
藤村敦史は嘲笑って言った:「私を見くびっているな。失礼する!」
彼は振り返って立ち去ろうとし、地面に落ちている蔓根さえ拾わなかった。
矢崎粟はゆっくりと言った:「藤村大師、蔓はいらないのですか?」
「主を裏切るようなものなど、必要ない」