なるほど、矢崎粟がこんなに焦っていたのは、ここで待ち伏せしていたからか!
彼女は最初から計画していたのだ。彼の大切な虫を霊獣のおやつにするつもりで、彼は馬鹿正直に毒虫を放してしまった。
藤村敦史は血を吐きたい気分だった。
こんなにたくさんの毒虫がいるのに、一匹も霊獣を毒殺できないなんて信じられない。
藤村敦史は笛を取り出し、奇妙な調べを吹き始め、すべての毒虫にその蛇を攻撃するよう命じた。
シュッシュッ!
小蛇は再び口を開け、舌で大量の毒虫を巻き取り、思わず尻尾を振って喜んでいた。
毒虫たちは急かす笛の音を聞いたが、小蛇の威圧に押されて、少しも前に出る勇気がなく、むしろ後ずさりしていった。
数秒のうちに、毒虫はまた半分以上が失われた。
藤村敦史は怒り狂いそうだった。