725 邪気の剣

なるほど、矢崎粟がこんなに焦っていたのは、ここで待ち伏せしていたからか!

彼女は最初から計画していたのだ。彼の大切な虫を霊獣のおやつにするつもりで、彼は馬鹿正直に毒虫を放してしまった。

藤村敦史は血を吐きたい気分だった。

こんなにたくさんの毒虫がいるのに、一匹も霊獣を毒殺できないなんて信じられない。

藤村敦史は笛を取り出し、奇妙な調べを吹き始め、すべての毒虫にその蛇を攻撃するよう命じた。

シュッシュッ!

小蛇は再び口を開け、舌で大量の毒虫を巻き取り、思わず尻尾を振って喜んでいた。

毒虫たちは急かす笛の音を聞いたが、小蛇の威圧に押されて、少しも前に出る勇気がなく、むしろ後ずさりしていった。

数秒のうちに、毒虫はまた半分以上が失われた。

藤村敦史は怒り狂いそうだった。