二人はしばらく話をして、矢崎粟は帰っていった。別荘に戻る前に、彼女は藤村慎一の様子を見に行った。
藤村慎一の法力は完全に消え失せ、経脈は寸断され、もう二度と修行することはできない。これからは誰も傷つけることはできないだろう。
矢崎粟はそれを確認すると、満足して立ち去った。
……
二日後。
矢崎美緒は食卓で、小林美登里に慎重に話しかけた。「お母さん、堀首席に連絡して、体に残っている呪いの毒を取り除いてもらおうと思うんだけど、時間ある?堀首席は了承してくれたわ」
この数日間、小林美登里の機嫌は取り扱いが難しく、些細なことで不機嫌になると大荒れだった。
小林美登里は一瞬固まり、突然あの仙人のような雰囲気を持つ道士のことを思い出した。
最近便秘に悩まされており、何人もの道士に診てもらったが、みな呪いの毒の残留による副作用だと言い、時間が経てば良くなると言われた。