小蛇が食べ終わると、ゆっくりと戻ってきた。
小蛇が幸せそうな顔をしているのを見て、矢崎粟はその小さな頭を軽く叩いた。「食いしん坊の蛇め!」
矢崎粟がしばらくその場で待っていると、藤村敦史がようやく疲れ果てた様子で陣法から出てきた。彼は息を切らし、かなり疲れた様子で、胸には血がついており、少し怪我をしているようだった。
彼の毒物を入れた袋も半分以上空になっていた。
彼は庭園に無事に立っている矢崎粟を見て、一瞬驚いた様子を見せた。
藤村敦史は思わず尋ねた。「どうしてそんなに余裕があるように見えるんだ?」
彼は大変な苦労をして陣法から出てきたというのに。
なぜ矢崎粟は陣法に入っていなかったかのように見えるのだろう?
矢崎粟は微笑んで言った。「私は数歩歩いただけで陣眼を見つけて、小呪術を使って陣法から出てきただけよ。あなたは出るのが大変だったの?」