藤村敦史は頷いて、別荘の庭から立ち去った。
彼は矢崎粟が自分を利用して、堀信雄の住居を荒らそうとしていることを知っていた。
しかし、彼はそれを気にしなかった。
彼は堀信雄の住居にある物に完全に魅了され、それらを手に入れたいと思い、この機会に鬱憤を晴らしたいとも考えていた。
たとえ堀信雄の死を直接見ることができなくても、彼は利益を得られた。
東京の自宅に戻ると、すぐに息子に航空券を予約させ、数人の玄学師を雇って一緒に行くことにした。
藤村敦史は決めていた。今回は弟子の仇を討つという名目で行き、誰が邪魔をしても、その者に思い知らせてやる!
庭には矢崎粟だけが残された。
矢崎粟は庭に一人で暫く立っていたが、この法陣内の邪気が外に漏れ出ないことを確認すると、立ち去ろうとした。