【矢崎美緒がまだ実の母親のために弁護士を雇う面があるの?】
【どこの法律事務所を雇ったの?今後その事務所とは絶対に協力しないわ。】
【矢崎美緒は本当に是非をわきまえていないわね!】
【ふん、私はずっと予想していたわ。矢崎美緒は実の母親が誰か知っていて、密かに何年も付き合っていたのよ。矢崎社長や矢崎家と付き合っていたのは、ただもっとお金を掠め取りたかっただけ。】
【矢崎社長の前妻がなぜ矢崎美緒を手元に置きたがったのか分からないわ……】
【矢崎社長の前妻が分別がつかないのよ!】
この投稿は、すぐにトレンド入りした。
多くの人がこの投稿を見て、矢崎美緒を非難し、彼女を嫌う人がどんどん増えていった。
矢崎粟ももちろんそれを見た。
彼女は軽く笑った。
矢崎美緒が母親側と親しいのは当然だが、彼女はそれほど気にしていなかった。
どうせ本田水鳥は必ず法的な処罰を受けることになる、弁護士を雇っても無駄だ。
「矢崎美緒様、到着しました」運転手は車の中で眠っている矢崎美緒に声をかけた。
矢崎美緒は車を降りた。
彼女は建物に向かって歩きながら、スマートフォンをチェックすると、自分がまたトレンド入りしていることに気づいた。
どうしよう?
矢崎美緒は焦りに焦った。
小林美登里がこのニュースを見たら、きっと彼女を家から追い出すに違いない。
その時、小林美登里はまだベッドで休んでいた。
泣き疲れて、あまり食事もせず、夜も眠れなかったので、昼間は寝て過ごしていた。
離婚の件で、ここ数日は多くの人からメッセージや電話が来ていた。
小林美登里はうんざりして、寝る時に携帯の電源を切っていた。
だから、小林美登里はネット上のトレンドも、矢崎美緒の面会の件も知らなかった。
矢崎美緒が帰ってきた時、リビングの明かりは消えていた。
彼女はこっそり小林美登里の部屋を開け、まだ寝ている様子を見て安堵のため息をついた。
彼女は小林美登里のテーブルに置かれた携帯電話を見た。
その瞬間、矢崎美緒の心に一つの計画が浮かんだ。それは携帯電話を壊してしまうことだった。
そうすれば、小林美登里はネット上の情報にすぐには気づかないだろう。
やるなら今しかない、矢崎美緒はすぐにスープを作り始め、大鍋一杯作った後、椀を持ってドアをノックした。