815 弁護士

矢崎美緒は残りの貯金を使って、実の母のために弁護士を雇った。

彼女が弁護士と一緒に来ると、本田水鳥はようやく喜んだ。

本田水鳥は言った。「ありがとう、美緒。お母さんのことを一番思ってくれる良い子だと分かっていたわ。もう帰っていいわ。後のことは弁護士さんと話し合うから。」

彼女は弁護士の方を向いて話し始めた。

矢崎美緒は眉をひそめ、通話用マイクを引き寄せ、ガラス越しに言った。「お母さん、私との約束を覚えてる?暗証番号は何?」

彼女はまだお金を引き出すのを待っているのだ!

あの2000万円がなければ、本田水鳥のために弁護士を雇うはずがない。

本田水鳥はため息をつき、懇願するように言った。「美緒、あれはお母さんの老後のためのお金よ。お母さんが出所したら、一緒に使いましょう。安心して。」