811 廉恥知らず

矢崎美緒を恥知らずだと罵る人もいれば、これは全て矢崎粟の陰謀で、故意に矢崎美緒に泥を塗っているのだと言う人もいた。

ネットユーザーたちも、もはや誰を信じればいいのか分からなくなっていた。

矢野朱里は事の経緯を全て見終わると、怒りで机を叩いた。

彼女は矢崎粟に向かって言った。「粟、矢崎美緒のあの厚かましい女、きっと人を雇って手伝わせているわ。そうでなければ、コメント欄の人たちがどうして彼女の味方をするはずがないでしょう?腹が立つわ。」

この事件の被害者は粟だけなのに。

矢崎美緒がネットユーザーに同情されるなんて、馬鹿げているじゃないか?

矢崎粟はお茶を一口飲んで、「怒る必要はないわ。真相はすぐに明らかになるから。今彼女が調子に乗っているほど、後で惨めになるわ」と言った。

矢野朱里は深いため息をつき、「粟、私も手伝いの人を雇ってあげましょうか?そうすれば、矢崎美緒を攻撃する人が増えるわ」

「そんなお金を無駄にする必要はないわ」矢崎粟は笑って言った。「もうすぐ面白いショーが始まるから」

彼女は携帯を取り出し、原東にメッセージを送った。【公表してもいいわ】

【了解】原東はすぐに返信した。

玄学管理所はすでに警察と連携しており、適切なタイミングで、本田水鳥が矢崎粟を誘拐した経緯をネット上で公開し、大衆に事実の真相を示すことになっていた。

そして、南部交番所が告知を出した。

南部交番所は本田水鳥の戸籍所在地の交番所で、彼女を一時的に拘留し、玄学管理所と共同で法執行を行うことになっていた。

告知には、本田水鳥が人身売買罪を犯したことが詳しく書かれていた。

そして彼女の本当の身元も、親切なネットユーザーによって暴かれた。

彼女は田中浩の元妻で、矢崎美緒と矢崎粟の実母だった。

この告知が出ると、また新たな議論を呼んだ。

【やっぱり本当だったんだ、矢崎美緒の実母は人身売買犯だったんだ!】

【これで矢崎美緒に何か言い訳できることがあるのか?】

【人身売買犯を厳罰に処せ!】

【矢崎美緒の心が汚いのも、いつも悪事を働くのも、実母から受け継いだわけだ】

【ふん、やっぱり矢崎美緒の実母もろくな人間じゃないと思っていた】

下には本田水鳥への罵声が並んでいた。

監督はまた矢崎美緒に電話をかけた。