部屋には矢崎弘と矢崎正宗、そしてベッドに横たわる小林美登里だけが残っていた。
矢崎弘は父親の表情を一瞥し、小林美登里に向かって言った。「母さん、彼らの言うことを聞くべきだよ。みんな正論を言ってるんだ。僕も行くから。」
彼は振り向いて部屋を出た。父親が母を説得してくれるだろうと分かっていたからだ。
小林美登里は怒りでベッドの上のものを全て床に投げ捨て、狂ったように矢崎正宗に向かって叫んだ。「正宗、あなたはあの三人が私を説教するのをただ見ていただけなの?」
矢崎正宗は冷ややかに鼻を鳴らした。「最初に三人に出て行けと言ったのは君じゃないか?自分のしてきたことを考えてみろ。一つでも母親らしいことをしたか?」
小林美登里の気勢は一気に萎んだ。「私は...だって、あの子たちが親不孝だから...」