849 滑稽

矢崎若菜の声には笑いが混じっていた。「私に助けてほしいの?自分で聞いてみて、おかしくないと思う?」

矢崎若菜の言葉に含まれる嘲笑を聞いて、矢崎美緒は懇願した。「三兄さん、お願い。母さんは私のことを怒っていて、助けてくれないの。助けてくれたら、これからは何でも言うことを聞くから」

「ふふふ……」矢崎若菜は冷笑い、理解に苦しむ表情を浮かべた。「私がそんなにバカだと思っているの?」

馬から落とされたのは彼だった!

車椅子で数ヶ月を過ごしたのも彼だった!

矢崎美緒には少しの後悔もないのか?

矢崎美緒もそのことを思い出したらしく、気まずそうに笑った。「三兄さん、出してくれたら謝れるじゃない!」

「出て行け。刑務所でもっと長く過ごしてほしいものだ」矢崎若菜はそう言って電話を切った。