849 滑稽

矢崎若菜の声には笑いが混じっていた。「私に助けてほしいの?自分で聞いてみて、おかしくないと思う?」

矢崎若菜の言葉に含まれる嘲笑を聞いて、矢崎美緒は懇願した。「三兄さん、お願い。母さんは私のことを怒っていて、助けてくれないの。助けてくれたら、これからは何でも言うことを聞くから」

「ふふふ……」矢崎若菜は冷笑い、理解に苦しむ表情を浮かべた。「私がそんなにバカだと思っているの?」

馬から落とされたのは彼だった!

車椅子で数ヶ月を過ごしたのも彼だった!

矢崎美緒には少しの後悔もないのか?

矢崎美緒もそのことを思い出したらしく、気まずそうに笑った。「三兄さん、出してくれたら謝れるじゃない!」

「出て行け。刑務所でもっと長く過ごしてほしいものだ」矢崎若菜はそう言って電話を切った。

矢崎美緒はため息をつき、希望が消え去る中、今度は矢崎政氏に電話をかけた。

すぐに電話がつながった。

矢崎美緒が話そうとした瞬間、矢崎政氏の声が聞こえた。「美緒、留置所の味はどうだ?聞いたところによると、また醜くなったそうじゃないか、はははは……」

最初の一言から、嘲笑だった。

矢崎美緒は我慢して、笑いながら言った。「四兄さん、久しぶり。確かに留置所にいるの。弁護士を探したいんだけど、四兄さんが手伝ってくれないかしら」

「ふん、弁護士なんて探してやるものか!」

矢崎政氏は即座に拒否した。「お前みたいな残酷な女は、一生刑務所にいればいい。それに、お前に賠償金を要求している商店たちも、私が刑務所に行くように指示したんだ。四千七百万円の賠償金だ、はははは……刑務所から出られたとしても、楽な生活なんてできないさ」

そう言うと、矢崎美緒に話す機会を与えることなく、すぐに電話を切った。

矢崎美緒は怒りで爆発しそうだった!

みんな本当に落ちぶれた者をいじめるばかりだ。これでは小林家の兄弟に助けを求めるしかない。

矢崎美緒は母方の従兄弟である小林瑞貴と小林哲にそれぞれ電話をかけたが、二人とも彼女をブロックしていたため、全く通じなかった。

彼女は歯ぎしりしながら、今度は二房の小林博に電話をかけた。

前回は良くないことがあったものの、小林博は個人的に彼女を慰めてくれた。この道なら通じるかもしれないと思った。

小林博は電話を受けて、少し考えた。