山本風尾は慌てて説明した。「この銃は私たちの里から漏れ出たものではありません。他の部族が研究して作ったと聞いています。」
彼は緊張した表情で、皆に疑われることを恐れていた。
矢崎粟は微笑んで、「もちろん工匠の里を信じていますよ。安心してください。この武器は玄学管理所から流出したものかもしれません。」
実際、銃の製造自体は難しくない。
しかし、弾丸は特殊な材料で作られており、霊石をエネルギー源としているため、銃を買い戻しても弾丸がなければ使用できない。
そう考えると、矢崎粟は興味を持ち始めた。
彼女は小島一馬を見て、「可能であれば、この銃を私のために入札してください。内部構造を見てみたいんです。」
「はい。」小島一馬はすぐに頷き、カタログで銃の番号を探した。
山本風尾は矢崎粟に近づき、尋ねた。「矢崎大師、工匠の里では宴席を用意しております。オークション終了後、お三方に里で食事をしていただきたいのですが、これは私たちの心からのおもてなしです。どうかお断りにならないでください。」
彼の目は澄んでいて美しく、顔には程よい笑みを浮かべていた。
矢崎粟は頷いて、「いいですよ。南西地方の料理も体験してみましょう。」
すぐにオークションが始まった。
美人司会者がステージで説明し、参加者たちは思い思いの価格を提示した。
多くの珍品が会場に現れ、歓声が上がった。
矢崎粟が観察したところ、吉祥の気を帯びた骨董品が二点、邪気を帯びた凶物が七点落札され、さらにいくつかの霊獣も会場に現れた。
これらの霊獣はまだ知性が目覚めておらず、やや茫然としていた。
玄学師たちが次々と値をつけ、オークション価格は急上昇した。
霊力消解銃の番になると、多くの人が入札し、価格は銃本来の価値をはるかに超えた。小島一馬は値段を上げ続け、最後の数人と争った。
矢崎粟は言った。「もういいです。この銃は高すぎて、買う価値がありません。」
小島一馬は頷いて、「分かりました。では入札を諦めます。」
最終的に、霊力消解銃はピエロの仮面をつけた男性に五千三百万で落札された。
矢崎粟にも、なぜこんな一丁の銃にそれほど多くの人が群がるのか理解できなかった。
しばらくして、いくつかの装飾品が出品された。