863 血の匂い

矢崎粟は彼の頬をつついて、「そうね、最近時間があれば会いに来てるわ。前より痩せたわね。ちゃんと食事してる?」

「うん、赤ちゃん肌が取れたんだ」澄夫は笑顔で答えた。

二人が話し終わると、澄夫は大人しく両親の元に戻り、時々矢崎粟の方を見つめ、期待に満ちた眼差しを向けていた。

矢崎粟は澄夫の体から血の匂いを感じ取った。

その匂いは、まるで死体の山の中にいたかのような匂いだった。

山本風尾は矢崎粟に微笑んで、「矢崎さんはテレビで見るより綺麗ですね」と言った。

矢崎粟も礼儀正しく返した。「山本族長も若くして優秀ですね」

数人が丁寧に会話を交わした。

午前9時になり、一行はオークションに向かった。

オークションに向かう前に、山本族長は三人に適切な仮面を選んでくれた。

このオークションでは、全員が仮面を着用しなければならなかった。