外でドアをノックする音がした。
小島一馬がドアを開け、箱を抱えて入ってきた。「これは私が競売で落とした霊力消解銃だ」
あの状況で、矢崎粟が銃が欲しいという考えを漏らしたら、銃の価格は必ず高騰していただろう。
小島一馬が競り続けていたら、この銃の値段はきっと更に上がっていただろう。
そこで、小島一馬は表向き競売から手を引き、実際には部下に買わせ、最後に届けさせることで、人目を避けることができた。
矢崎粟は銃を手に取り、テーブルに置いた。
彼女は数回で銃を分解し、部品がテーブル一面に散らばった。
小島一馬は目を輝かせ、感心した表情で矢崎粟を見つめた。
矢崎粟は部品を一つ取り上げ、さっと目を通して言った。「この銃は確かに玄学管理所から流出したものではなく、設計図を入手して新たに製作されたものね」