866 謝罪

国師は姫の側に寄り、小声で言った。「姫様、陽菜姫のことを考えてみてください。もしこんな大きな問題を起こして帰ったら、陽菜姫にきっと散々嘲笑われますよ。今のうちに頭を下げた方がいいでしょう」

陽菜姫は日和姫の宿敵だった。

二人はよく喧嘩をしていた。

果たして、この言葉を聞くと、日和姫はカタツムリのようにゆっくりと歩を進め、矢崎粟の方へ向かい、最後に矢崎粟の前に立ち、青ざめた顔で小さな声で言った。「申し訳ありません」

「何て言った?聞こえないわ」矢崎粟は食事を続けながら、無関心そうに言った。

日和姫は目に涙を浮かべ、涙がこぼれそうになりながら、急いで言った。「矢崎粟、ごめんなさい、失礼いたしました」

矢崎粟はさらに言った。「何を急いでいるの?ゆっくり言いなさい」

日和姫は足を踏み鳴らしたい衝動に駆られたが、陽菜姫の傲慢な顔を思い出し、ゆっくりと言った。「矢崎さん、申し訳ありません。私が無礼を働きました。どうかお許しください」