吉野柔たちは十一時まで飲み続け、徐々に解散していった。
小林博は吉野柔を支えながらバーを出た。
二人が車に戻ると、小林博は優しく呼びかけた。「柔、目を覚まして。家まで送るよ。」
吉野柔は酔った振りをして、つぶやいた。「博お兄さん、家には帰りたくないの。別荘に送って。両親がこんな姿を見たら、絶対に怒られちゃうから。」
彼女は力なくシートに寄りかかった。
小林博は愛情たっぷりの表情で彼女の頬にキスをして、「わかった。送っていくよ。僕も飲んでるから、うちの運転手を呼ぶね。」
二人は後部座席で寄り添っていた。
三十分後、二人は吉野柔名義の別荘の前に到着した。
小林博は別荘を見渡し、満足げな目つきを見せた。
吉野家は本当に金持ちだ。
吉野柔の個人別荘は、二番目の家族が住む別荘と同じくらい豪華で、環境も素晴らしく、場所も繁華だった。
もし本当に吉野希と結婚できれば、これからの生活は安泰だろう。
小林博は優しく吉野柔を抱き上げ、メイドの案内に従って二階へと向かった。
「柔!」小林博は彼女をベッドに寝かせ、優しく呼びかけた。
吉野柔の顔は真っ赤で、頬は桜色に染まっていた。
「暑い!」吉野柔は無造作に体を動かし、腰の肌が大きく露わになり、まっすぐで滑らかな脚が小林博の目に飛び込んできた。
その視覚的な刺激に、小林博も情欲を感じた。
しかし彼はまだ自制心を保ち、吉野柔を一人にしようと身を翻そうとした。
次の瞬間、予想外にも吉野柔が彼に抱きついてきた。
二人は抱き合いながらキスを交わし、徐々に服を脱ぎ、部屋の中で絡み合い、艶めかしい雰囲気だけが残った。
終わった後、吉野柔はすっかり力尽き、小林博の腕の中に倒れ込み、二人は寄り添いながら眠りについた。
翌朝早く。
吉野柔は目を覚まし、自分の体に付いた赤い痕を見て、思わず微笑んだ。
彼女はついに小林博の女になった。
これなら、きっと二人は結婚することになる。
これまでの年月、吉野柔は多くの彼氏と付き合ってきたが、最後の一線は越えなかった。彼女は自分の初めてを最愛の人に捧げたかったのだ。
彼女は小林博の顔にキスをし、満足げな表情を浮かべた。
小林博も目を覚ました。
彼は眠そうに目をこすりながら、突然昨夜の出来事を思い出し、驚いて声を上げ、ベッドから転げ落ちそうになった。