889 自殺

彼女は自分のやったことが効果を上げていることを知っていた。

今頃、吉野家と小林家はどんな状態になっているか分からないけど、本当に良かった。

矢崎美緒は何も知らないふりをして、「え?何の話?教えてよ。私にできることなら、絶対に手伝うわ」と言った。

吉野柔はしばらくためらってから、ようやくゆっくりと「実はね」と切り出した。

そして、この二日間に起きたことを簡単に説明した。

最後に、吉野柔は「美緒、私の友達は今どうすればいいと思う?」と尋ねた。

矢崎美緒は冷笑して、ゆっくりと「そう、そうなの。ちょっと考えてみるわ」と答えた。

矢崎美緒は悪意に満ちたアイデアを思いついた。彼女はゆっくりと「いい方法を思いついたわ。でも、あなたの友達には大きな勇気が必要で、ある程度の犠牲も必要よ。あなたの友達にできるかしら」と言った。

「どんな方法?」吉野柔は期待に満ちた表情で急いで尋ねた。

小林博お兄さんと一緒になれるなら、どんな犠牲も厭わなかった。

彼女には勇気があると自負していた。

矢崎美緒は憎しみの眼差しで、ゆっくりと自分の考えを説明した。

吉野柔は驚いて叫んだ。「え?そんな方法で大丈夫なの?もし何か問題が起きたらどうするの?」

「だから言ったでしょう、この方法には勇気が必要だって」矢崎美緒は挑発するように言った。

吉野柔は深く息を吸って、「分かったわ。その友達によく考えてもらうわ。ありがとう。今度ご飯でも奢るわね」と言った。

「どういたしまして。あなたの友達の役に立てて光栄よ」と矢崎美緒は答えた。

二人は電話を切った。

吉野柔はあれこれ考えながら、ベッドの上で寝返りを打っていた。

彼女はこの方法がとても良いと思った。

安藤礼はいつも彼女を可愛がってくれていた。もし自分に何かあったら、きっと同意してくれるはずだ。

やるなら今しかない、吉野柔はキッチンからナイフを持ってきた。

メイドが毎朝7時に部屋の掃除に来ることを知っていたので、ドアを少し開けておき、遺書をベッドの上に置いた。

そして、朝の6時半に、思い切って手首を切った。瞬間、血が手首から流れ出した。

吉野柔は静かにベッドに横たわり、血が流れる音を聞いていた。

これで信じられないはずがない。

自分が自殺しようとしているのに、母はまだ反対するだろうか?