901 令牌

「なぜ族長が二人いるんだ?」

「ああ!台上に族長がいて、今また一人の族長が現れた。一体どちらが本物なんだ?」

「なんてこと、最近の浄化の儀式がおかしいと思っていた」

「そうだ、一部の里の族人たちもおかしかった」

「どちらが偽物だ?」

「そっくりすぎて、見分けがつかないよ!」

台下。

山本風尾は怒りの表情で、「族人たちよ、騙されるな。台上の者は人皮の仮面をつけている。奴が偽物だ!」

族人たちは台上を見つめた。

台上で、剛志も怒鳴った:「お前こそ偽物だ。私が山本風尾だ。族長の令牌もここにある」

そう言って、彼は令牌を取り出した。

その令牌は、確かに本物だった。

山本風尾は続けた:「お前は私の令牌を奪い、これほど長く族長を演じてきた。そろそろ返してもらおうか?」

南鹰派の門主は後ろの巡視隊に合図を送った。「偽物の族長を捕らえろ!」

「はい!」

藤田川は空から降り、山本風尾の傍らに着地し、二人を守りながら、呪文を唱えた。「降臨!」

一瞬のうちに、空から無数の還魂草が降り注いだ。

還魂草の香りが、広場全体に漂った。

「これは何だ?」

「頭がくらくらする!」

「だめだ、気分が悪い」

「これが還魂草なのか?」

「ああ、頭が痛い、耐えられない」

一瞬のうちに、広場中がざわめいた。

台上の門主は机上の藤田川を見て、また台下の藤田川を見て、悔しそうに剣を抜き、机上の藤田川に突きかかった。

刺した瞬間、机上の藤田川は消えた。

「やはり幻術か!」

門主は顔を真っ黒にして、剛志に怒鳴った:「何をしている?どうしてこの三人を逃がしたんだ?まったく役立たずめ!」

剛志は信じられない表情を浮かべた。

まさか先ほどの台上の三人は、全員偽物だったのか?

「ドン!」

広場の入口が破られ、多くの呪術師の里と玄学管理所の人々が押し寄せ、頭を痛がる工匠の里の人々を縛り上げた。

藤田川は法力で剣を形作った。

彼は台上に飛び上がり、門主に向かって言った:「お久しぶりですね、聖血」

数百年前、聖血は中華街での大戦で、藤田川の剣の下に倒れた。

藤田川は、彼が確実に死んだと思っていた。

まさか、聖血がまた復活していたとは。

「はははは……」聖血は狂ったように笑った。

藤田川は冷たく彼を見つめ、「まだ何人の命を奪うつもりだ?」