878 大豪邸

岡本智美は困ったような表情で「でも、矢崎美緒の別荘がどこにあるのか分からないじゃない。どうやって探せばいいの？」と言った。

彼らはまだ矢崎美緒がどこに住んでいるのか知らず、彼女を見つけることは全く不可能だった。

「こうしましょう！」澤田円が言った。「この数日間、私が外に出て聞き込みをします。矢崎美緒が別荘に住んでいることを知っている人がいるなら、きっと彼女がどこに住んでいるか知っている人もいるはずです。分かったら、私たちで会いに行きましょう。」

本田孝はタバコを口から取り出し、うなずきながら言った。「その通りだ。この数日間は長男の嫁と次男の嫁が外に出て聞き込みをしてくれ。家のことは私と母さんで切り盛りする。」

「はい！」仕事をしなくて済むと聞いて、岡本智美は喜んで返事をした。

ただぶらぶらして聞き込みをするだけなんでしょう？

それなら簡単すぎる。

こうして、岡本智美と澤田円はまた一日中聞き込みに出かけ、夕方になってようやく矢崎美緒の住まいを突き止めた。さらに、矢崎美緒が金銀の装飾品をつけ、とても贅沢な暮らしをしているという噂も聞いた。

これを聞いて、本田家の者たちは全員興奮した。

本田家の老夫婦と二人の嫁は、家で半夜中相談した。

翌朝早く、四人は車に乗って別荘に向かった。

四人は親族訪問を理由に、警備員に矢崎美緒が住む別荘の主人に連絡するよう頼んだ。

吉野柔はそれを聞くと、すぐに警備員に通してよいと言った。

彼女は矢崎美緒の困る様子を見るのが楽しみだった。もし矢崎美緒が貧乏な親戚に付きまとわれれば、もっと多くのお金を借りることができるし、小林博を誘惑する暇もなくなるだろう。

四人は別荘に入れてもらうと、道中ずっと感嘆の声を上げていた。

この金持ちの別荘は、本当に素晴らしかった。

それぞれの別荘には小さな庭園があり、中にはプールや鯉の池まであるものもあった。ここに住むのはさぞかし快適だろう。

本田孝はますます腹を立てた。

矢崎美緒がこんな良い暮らしをしているのに、本田家を助けようともしない。本当に恩知らずだ。

玄関で、警備員は特に別荘の番号を教えてくれた。一行が矢崎美緒の住む別荘に着くと、インターホンを何度か押した。

すぐにメイドが出てきた。

メイドは「どちらさまでしょうか？招待状はお持ちですか？」と尋ねた。