877 借用書

矢崎美緒は頷いて、「大丈夫です、書きます!」

借用書なんて、たいしたことないでしょう?

お金がないよりはマシです。これから小林家の次男の奥様になるのだから、百万円なんて大したことありません。

今を乗り切ることが一番大切なのです。

小林博を手に入れれば、安心できるはずです。

残念なことに、最近小林博は彼女のメッセージに返信してくれません。何か忙しいのでしょうか。

矢崎美緒は借用書を書き終え、吉野柔は満足そうに借用書を持って帰りました。

……

夜の8時、小林美登里のアシスタントは密かに探偵事務所を訪れました。

アシスタントは大金を渡し、探偵事務所は翌日の夕方までに矢崎美緒の住所を突き止めることを約束しました。

翌日の午後、アシスタントは探偵事務所からメッセージを受け取りました。【お客様、ご依頼の情報をメールにてお送りいたしましたので、ご確認ください。】