930 占い

矢崎粟も熟考していた。「私たちで力を合わせて聖血の現状を占ってみましょう。私たちに追い詰められて死んだのなら、きっと彼は再び憑依する機会を探しているはずです。」

「いいね!」藤田川は頷いて同意した。

二人はいくつかの道具を持って、4階にある小さな部屋に上がった。

2階は矢崎粟と矢野朱里が住んでいる場所で、3階は藤田川と山本風尾たちが住んでいる場所だった。

4階は大きなテラスになっていた。

唯一の小さな部屋には、以前は雑多なものが置かれていたが、今はそれらが片付けられ、矢崎粟と藤田川が呪術を行う部屋として使われていた。

この部屋は風水が最も良く、天象の観察にも適していたからだ。

二人は部屋に入り、ドアを閉めた。

矢崎粟はテーブルの上のろうそくに火をつけ、符紙に火をつけて、まず空間全体を封鎖し、他の玄学師の窺いを防いだ。

これを終えると、二人は床に足を組んで座った。

矢崎粟は目を閉じ、3枚の銅貨を取り出し、口の中で呪術を唱えた。

彼女は空中に1枚目の銅貨を投げて方位を推測し、次に2枚目の銅貨を投げて時間を推測し、最後に3枚目の銅貨を投げた。

終わると、彼女は目を閉じて卦象を解読し始めた。

藤田川は指で計算し、両目をずっと閉じたまま、口の中で呪術を唱えていた。

二人が測定を終えると、一緒に階下へ降りた。

リビングルームで。

藤田川は尋ねた。「君の結果はどうだった?」

矢崎粟は言った。「彼はすでに再び憑依しています。今回の憑依対象はある程度名声のある人物で、私たちの東南方向にいて、距離はそれほど遠くありません。この憑依の後、彼はおそらく一連の悪事を引き起こすでしょう。」

これが卦象に描かれていたことだった。

藤田川は頷いた。「私の卦象も君のとよく似ているが、悪事の描写についてはもう少し具体的だ。」

矢崎粟は彼を見つめた。

藤田川は続けた。「今回早急に対処しなければ、国全体が滅びる危険があるかもしれない。彼が憑依したのは政界の要人かもしれない。」

矢崎粟は驚いた。「では玄学管理所は…」

玄学管理所は政界のある部門の管轄下にあった。

聖血は完全に玄学管理所を制圧し、管理所に手下を送り込むことができる。

藤田川は頷いた。