第29章 ビンタで赤ちゃん肌

景雲昭に両手を掴まれた呂佳は、足を使い始め、ぼんやりとした状態で脛を蹴ろうとした。

「ドン！」

足が着地する前に、景雲昭に押し倒されてしまった。

二人の喧嘩の様子は大したものではなかったが、朝早い時間だったため、学校に向かう生徒たちが集まってきて、すぐに人だかりができ、皆その光景に呆然としていた。

景雲昭は両足を開き、みんなの前で呂佳の上に跨がり、「パン！パン！」と二発の平手打ちを食らわせた！

「謝れ！」二発の平手打ちの後、冷たい声で命じた。

呂佳は殴られてぼうっとしていた。全校生徒の前で平手打ちされるなんて、想像もしていなかった！

「あんたなんか私生児よ！薄情な私生児！人と寝るなんて……」呂佳は目を見開いたまま、決して頭を下げようとはしなかった。

景雲昭の表情はさらに恐ろしくなり、冷たく笑って、「デマを流すとどうなるか分かってる？間違った道に進まないように、今日はしっかり覚えさせてあげる！」

そう言うと、手を思い切り振り上げ、再び打ち下ろした。

さらに連続で数発の平手打ち。呂佳は目が回り、涙がぼろぼろと流れ、両頬は熱く腫れ上がり、一言も発することができなかった。

景雲昭は暴力的な性格ではなく、呂佳が口を開かないのを見て、もう手を出すのをやめ、さっさと立ち上がった。

数発の平手打ちを食らわせただけで、ほんの一瞬の出来事だった。警備員が群衆を掻き分けて来た時には、景雲昭はすでに静かにそこに立っていて、以前のような温厚で従順な様子だった。

「君たち若い者は本当に始末に負えないね！朝早くから喧嘩とは、すぐに職員室に来なさい！」警備員は怒った顔で言った。

特に景雲昭を見つめる目つきは非常に厳しかった。

昨日はあの父親のせいで落ち着かなかったというのに、今日は彼女がまた面倒を起こした。以前はおとなしい子だと思っていたのに、今は……殴られた女の子を見てみろ、顔が腫れているじゃないか、かわいそうに！

「おじさん、さっきの録画を用意しておいてください。」景雲昭は抵抗せず、ただ立ち去る前に警備員に言った。

彼女がこんなにも堂々と仕返しできたのは、本当に怒っていたからではなく、ここが監視カメラの範囲内だと知っていたからだ。

確かに人を殴るのは良くないが、それは単に彼女が強くて殴られなかっただけのことだ。