第45章 濡れ衣を着せる

長兄の言葉が落ちると、他の二人の従兄弟たちが呆然とするだけでなく、呂佳も信じられない様子で彼を見つめていた。

しかし、この時長兄はすでに取り憑かれたかのように、呂佳を睨みつけた。「今日、お前の仇を討とうとしなければ、こんなことにはならなかったんだ！」

呂佳は目に涙を浮かべ、とても悔しそうだった。

よく考えてみれば、長兄の言うことも間違いではなかった。今、三番目の従兄弟がこうなってしまい、三叔母は必ず彼女を許さないだろう。もし長兄まで罰を受けることになれば、大叔母も怒るだろうし、両親も最近彼女に不満を持っていた……

今は、景雲昭にこの件の責任を取らせることで、長兄を危難から救うしかない。

そうすれば、三叔母の怒りも景雲昭に向けられ、彼女は皆からの非難を免れるかもしれない。

心の中で悪魔が囁くように、血まみれの三番目の従兄弟と冷淡な表情の景雲昭を見つめながら、呂佳の心には憎しみが湧き上がってきた。

景雲昭さえいなければ、みんな幸せだったのに！

「お兄さん！早く警察を呼んで、景雲昭を逃がさないで！」呂佳の一言で、自分の立場を明確にした。

他の二人の従兄弟はすでにパニック状態で、自分たちもこの件に関わっていることを知っていた。呂佳の言葉を聞いて、何も言えず、心の中でもこの件を景雲昭という野良娘に背負わせたいと思っていた。

彼らには両親がいる。もし何かあれば、家族は悲しみで死んでしまうだろう。でも景雲昭は違う！

彼女は孤児じゃないか？だから刑務所に入っても悲しむ人はいないはずだ！

数人が同じ立場に立ち、長兄はようやくほっとして、震える手で携帯電話を取り出し、警察に通報した。

しかし、これらの若者たちは、このような大きな出来事に直面して、最も重要な証拠を忘れてしまった。もちろん、景雲昭がいる以上、彼らにその石の指紋を消させることはできなかった。

パトカーと救急車がすぐに到着し、現場にいる若い顔ぶれを見て、警官たちの表情も良くなかった。

景雲昭は逃げるつもりなど全くなく、車に乗る時も躊躇わなかった。三番目の従兄弟は大量出血したものの死んではおらず、救急車で運ばれて急いで去っていった。

「警察のおじさん、景雲昭がやったんです。彼女が三番目の従兄弟を石で殴ったんです！」呂佳は恐怖に満ちた表情で、落ち着こうと努めながら言った。