第53章 金の衣を纏った令嬢

「クラス委員のことは忘れてないわ。ただ……彼女を誘わなかっただけ……」葉青は蔣夏を申し訳なさそうに見つめ、両手をもじもじさせながら言った。「実はね、誕生日会だから楽しく過ごしたいと思って。あまり親しくない人が集まると気まずくなるし、みんなが楽しめなくなるのは嫌だから」

蕭海清は冷ややかに鼻を鳴らし、そんな偽善的な言葉を聞くのが不愉快だった。

親しくない？

葉青はクラスの学習委員で、いつも高慢ちきな態度をとっていて、仲の良い同級生は二、三人しかいない。それなのに、彼女が誘った他の人たちの中には、一度も言葉を交わしたことのない人もたくさんいる。そんな人たちが親しい人と言えるのだろうか？

明らかに景雲昭を困らせようとしているのに、まるで景雲昭が彼女に借りがあるかのように、わざとらしく被害者ぶっている。

「ビリッ」という音とともに、蕭海清は招待状を破り捨てた。「葉青、あなたの言う通りよ。親しくない人が集まると気が休まらないわ。だから申し訳ないけど、あなたの誕生日会には参加できないわ。だって、私たち親しくないでしょう？それに、私は雲昭と食事の約束をしているの。私たち二人だけで、空気もずっと良くなるわ」

蕭海清の言葉は毒があり、遠回しに葉青が空気を悪くすると非難した。

葉青は気が短かったが、普段は我慢していた。今、多くのクラスメートの前で蕭海清に侮辱され、すぐに頬を膨らませた。「いいわよ、二人で静かに食事でもしてなさい。おめでとう景雲昭、お金持ちの友達ができて。いっそのこと蕭海清に学費を払ってもらって、養ってもらえばいいじゃない！」

景雲昭は無表情で答えた。「ただの一食事なのに、あなたの言い方だと、クラスのみんなの学費を払って、一生養うつもりってことになるわね？」

「葉お嬢様はそれだけ裕福なんだから、全部持つくらい余裕があるでしょうね。私みたいな貧乏人とは違って、雲昭にご馳走してもらわなきゃいけないような身分じゃないもの」蕭海清もすぐに景雲昭の擁護に回った。

三人のやり取りで、クラス全体が静まり返った。

葉青は目を赤くし、口角が下がり、まつ毛が絶えずパタパタと動き、目には涙が光っていた。まるで大きな不当な扱いを受けたかのように。