第57章 腐り切った

葉青の周りのテーブルはすでに人でいっぱいで、彼女はそう言うと、わざとらしく二つのテーブルを見渡し、目に残念そうな表情を浮かべた。「あら、席がないわね...こうしましょう。椅子を二つ追加して、みんなの後ろに座ってもらって、お料理を取るときは他の人に手伝ってもらえばいいわ」

「ご心配なく。むしろ、あなたたちのテーブルは少し混んでいるようですね。もし誰か居心地が悪いと感じる方がいらっしゃれば、私たちのテーブルにご招待させていただきますよ」景雲昭が近づいて来て、葉青を見つめ、少しも怯むことなく言った。

彼女は背が高く痩せていて、今日は新しい服装に着替えており、以前のような田舎っぽさは感じられなかった。全体的に清潔感があり、自信に満ちた雰囲気と相まって、むしろ今の方が大家の令嬢らしく見えた。淡々とした話し方だったが、それでも葉青はプレッシャーを感じずにはいられなかった。

「はっきり言いましょう。もう演技は止めてください。予約したと言うなら、どこに予約したのか言ってみてください。それに、たとえ本当に予約していたとしても、蕭海清がお金を払ったという証拠はないでしょう?誰もが知っているように、蕭海清は裕福な家庭の出身で、そういう余裕はあるはずですから」葉青は露骨に言い放った。

景雲昭は額を撫でながら、目の前の葉青に完全に呆れ果てた。

彼女は年齢は若く、分別のない部分もあるが、家庭での困難な状況にもかかわらず、まるで何事もなかったかのように振る舞えるところを見ると、本質的にすでに腐っているのだろう。

景雲昭はもう彼女と無駄話をする気も失せ、近くを通りかかった給仕に手を振って、「スターホールまでご案内お願いできますか」と声をかけた。

「かしこまりました」給仕は満面の笑みで、とても丁寧に応対した。

香海樓の個室は多く、どの部屋も趣向を凝らしていた。二階は主にロマンチックな雰囲気で、三階は家族の集まりや正式な場に適しており、四階、五階になると、主にビジネスや政界の人々が交流する場所で、簡単には入れない程度のプライバシーが保たれていた。さらに上の階は宿泊施設となっており、階が上がるほどサービスと環境も良くなっていった。

部屋は蕭海清が予約したもので、二人だけだったので、特に雰囲気の良い二階を選んでいた。個室のカーテンを開ければ、下階の様子も見えるようになっていた。