蔣夏は頑固で自己中心的な性格で、景雲昭や蕭海清のような強い相手に出会わない限り、自分が決めたことを最後までやり通すタイプだった。
だからこそ、喬紅葉が拒めば拒むほど、彼は図に乗ってしまうのだった。
皆の前で、喬紅葉は強く出られるはずもなく、その優しい声は全く効果がなかった。
二人がしばらく押し問答をした後、蔣夏は事務室に突っ込んで喬紅葉の一日休暇を申請してしまった。事態がここまで来てしまい、喬紅葉は仕方なく妥協するしかなかったが、心の中では蔣夏を死ぬほど恨んでいた。
周りの人々は目が見えているのだから、彼女の顔は少し赤くなっているだけなのに、この顔で学校を出たら、誰もが大げさだと思うに違いない!
この時、景雲昭は外の様子をはっきりと聞いており、心の中で思わず笑ってしまった。
前世では喬紅葉は蔣夏に熱心に追い求められたが、幸い彼女は承諾しなかった。もし承諾していたら、自分が生まれ変わっても、この蔣夏の振る舞いを見ると吐き気がしただろう。そして今の喬紅葉と蔣夏を見ると、一人は自己中心的で、もう一人は偽善的で、まさに天が二人を結び付けたようなものだ!
喬紅葉は不本意な目に遭い、平手打ちを食らっただけでなく、病院に連れて行かれたことで事態は収束してしまった。
それだけでなく、蔣夏は常に彼女の傍にいて、病院では医者までが彼女を何度も見つめ、とても恥ずかしい思いをした!
また、以前は喬紅葉は蔣夏の人柄が悪くないと思っていたが、今日の道中、彼は彼女に手を出し、暗示的だが度を越さない態度で、彼女は不満を言い出せなかった。しかも、彼女は女性なので蔣夏より力が弱く、全く抵抗できず、道行く人々までが彼女を指さして、若いのに自尊心がないと言われ、本当に地面に潜りたい気持ちだった!
しかし、これらのその後の展開は景雲昭は知らなかった。注意は先ほど思い出した、これから起こる大きな出来事に向けられていた。
華寧県は古い遺跡が多く残る県で、前世ではまもなく、ある骨董商が古美術を知らない労働者から千元で陶器を買い、その情報を寧市の名士が知ることとなった。その老人は骨董品収集が趣味で、鑑定の結果、その陶器が明の洪武時代の青花の大壺だと分かり、二千万元以上で購入したのだった。