景雲昭は前世で喬尉民から、この労働者についての話をたくさん聞いていた。彼の話によると、当時この労働者が青花の大壺を売った後、誰かが彼を探しに来たそうだ。労働者は当時とても恨みを抱いていたが、その古物商を見つけて清算することができず、その思いを心の中に押し込めるしかなかった。
彼が取引を後悔したわけではなく、売る時にお金が急いで必要だったため、二十萬を要求したのだが、皆は彼のことを馬鹿だと言った。後にその商人が来て、これは偽物だと彼に告げた。
その商人は口が上手く、労働者には理解できない話を長々と並べ立て、自分の持っているものが本当に偽物だと思い込ませた。絶望的な状況の中、商人は同情するような態度を見せ、千元でその品を騙し取った。
当時、品物を売った後、彼はその商人に特に感謝していたのだが、一ヶ月も経たないうちに、その品物が他人の目に留まり、二千萬以上にまで値が上がったのだ!
この労働者は実直で、その天価を欲しがったわけではなく、ただ自分の二十萬だけを考えていた。
そのため、景雲昭は今、その商人の商売の邪魔をしたことに罪悪感を感じていなかった。
近づいてきて、景雲昭はこの労働者の前で立ち止まった。
相手は五、六十歳くらいで、肌は黒く、しわだらけの顔で、目には憂いの色が浮かんでいた。両手で青花の大壺を抱え、誰かが不注意で蹴り倒さないかと心配そうだった。
その両手は粗く乾燥し、長年の辛い労働の跡が見て取れた。背中は少し曲がり、服には埃が積もり、足元には浅い窪みができ、靴には泥が付着して、より古びた様子を見せていた。
「おじさん、この壺は売り物ですか?」景雲昭は尋ねた。
この言葉を聞いて、近くの朝食屋台の人々も興味を引かれた。この李さんは一ヶ月もの間、この大壺を抱えて小さな市場にいた。尋ねる人はいたものの、価格を聞くと、皆尻込みしてしまった。
骨董品のことは彼らには分からず、ただこの壺が古いということと、何も入れられないということだけは知っていた。せいぜい飾り物にしかならず、数十元なら受け入れられるが、二十萬となると...馬鹿じゃないと買わない。
しかし、普段は四十歳以上の男性が声をかけることが多かったのに、今日はなぜか若い娘が...。