甘松柏は責任感のある医師で、今回の状況は特殊なので例外を認めるかもしれないが、今後は勝手に人の治療をしてはいけない。結局、医師免許がないのだから、もし問題が起きたら誰も責任を負えないし、彼女の人生にも影響を及ぼすことになる。
景雲昭が積極的に態度を示したので、甘松柏も少し安心し、叱責することはなかった。
傍らにいた甘堇辰は信じられない様子で「本当に人を救ったの?」と尋ねた。
彼と蘇楚は幼い頃から医学に触れてきたが、今でも治療する資格はなく、せいぜい薬材を知り、薬理を少し理解している程度だ。処方箋など決して勝手に使うことはできない。景雲昭のような素人が、よくそんなことを?
景雲昭は甘堇辰の敵意を感じ取った。もし他人なら完全に無視するところだが、甘祖父には世話になっているので、祖父の面子を立てて、彼とは争いたくなかった。