第72章 姿を現す

蕭海清は景雲昭の身に過度な落ち着きがあると感じた。どんな時でも、感情がよくコントロールされていた。

今日の出来事を例に取ると、すべてのクラスメートが混乱している中で、彼女だけは違った。

さっきの蔣夏への対応も、怒っているように見えたが、多くのことを考慮していた。本当に激怒状態であれば、蔣夏を半殺しにすることも可能だったはずだが、状況を計算して、人を殴りながらも無事に撤退することができた。

「そういえば、あなたの医術は誰に習ったの？さっきのおじいさん？」蕭海清は手の動きを止め、突然思い出した。

以前は付き合いがなかったが、景雲昭は医術ができることを一度も明かしていなかった。今日の手腕はあまりにも驚くべきものだった！

「違うわ、私が知っている少し神秘的な老人から教わったの」

景雲昭のこの言葉も嘘ではなかった。空間と霊玉の中の医術は、すべて景鶴という先人が残したものだった。その人はもういないが、彼女は確かにその医術を受け継いでいたので、他人から教わったとは言えなかった。

蕭海清はそれを聞いて、口の中のコーヒーを吹き出しそうになった。

「神秘的な老人！？まさか今時、伝説の隠遁の達人でもいるというの？私は無知だけど、あなたに騙されないわ！」蕭海清はまったく信じなかった。この世にそんな不思議な人がいるはずがない！

景雲昭は肩をすくめた。「とにかく本当よ。武術も医術も、すべて彼から教わったの」

蕭海清は心の中で疑っていたが、景雲昭が嘘をつくはずがないとも思い、目を見開いて景雲昭をしばらく観察した。

「じゃあ、今はすごく医術が上手なの？」蕭海清は尋ねた。

景雲昭は首を振った。「彼が教えてくれたことはたくさんあって、私は毎日長い時間をかけて記憶しているけど、今はまだ基礎ができた程度よ。でも、あまり複雑でない病気なら、処方箋を考えることはできるわ」

霊玉は全部で九十九枚あり、現在彼女はまだ一枚しか吸収していなかった。一枚には千冊以上の本が収められており、霊玉は既に彼女の脳内にあるため、それらの内容を思い出して理解するだけで、完全に融合することができた。さらに空間の五倍速度も加わり、彼女の毎日の成長は非常に驚くべきもので、ほぼ速成のようなものだった。

しかし、まだ知らないことがたくさんあるので、大げさなことは言えなかった。