第119章 協力

御天鮮は確かに実力があり、杜霖も優秀な人材だった。もし前世のように物事が進んでいけば、杜霖は確かに頭角を現すだろうが、彼の言うところまでは少し距離があるだろう。

しかし今、景雲昭にはその自信があった。彼女と杜霖は、一方はチャンスが不足し、もう一方は原材料が不足していて、まさにぴったりだった。

景雲昭の態度が和らいだのを見て、黎少雲は眉を上げ、瞳に暗い色が閃いた。

この娘は杜霖の名刺を見てから、彼に興味を持ったというのか？

黎少雲は落ち着かなくなった。ただの名刺に御天鮮と書いてあるだけじゃないか。御天鮮と比べれば、彼の天香樓の方が名が通っているはずだろう？

黎少雲はこれまでの人生で誰かに無視されたことなど一度もなく、誰かにこれほど特別な感情を抱いたこともなかった。

彼が景雲昭に会ったのは二、三回だけで、今回突然やって来たのは、この娘には将来性があると思ったからだ。今のうちに親しくなっておけば、将来彼女を助けられる機会があるかもしれないと考えたのだ。

しかし、彼女は全く彼のことを眼中に入れていなかった。

でもそれでもいい。杜霖は華寧県でも人脈があるし、都に行けば、景雲昭が何か困ったときに杜霖に助けを求めることができる。

結局、徐おじさんが気にかけている娘だし、黎家と徐家は親しい間柄なのだから、黎少雲は当然のようにこの娘も身内だと思っていた。

黎少雲は怒りを抑え、顔を上げて尋ねた。「御天鮮に興味があるのか？」

景雲昭は言葉を選びながら答えた。「私の師匠は薬草や穀物、野菜などの栽培に興味があって、優れた栽培技術を研究していて、育てたものは絶対に汚染や害がないんです。先ほど杜兄さんのお話を聞いて、私が師匠の代わりに御天鮮と協力できるんじゃないかと思いました。」

「えっ？」杜霖は一瞬呆然として、理解できなかった。

「つまり、私と協力したいということ？食材を私に売るということ？」杜霖は信じられない様子で尋ね、そして自分でも笑った。「実は普通の料理店なら、知り合いと協力することに問題はないんだけど、御天鮮は私と父の希望なんだ。あまり軽々しくはできない。必要な食材は全て私の要求に完全に合致していなければならない…」

景雲昭は相変わらず真剣に頷き、冗談を言っている様子はなかった。