第120章 同類の人

杜霖は結局のところ黎少雲のことをよく知らなかった。この時の黎少雲は「御天鮮」のことを深く考えておらず、むしろ景雲昭から発せられる自信に満ちた雰囲気を感じ取っていた。

彼が景雲昭に会った数回は短い時間だったが、鮮明に記憶に残っていた。同年代の中でも、彼女のような落ち着きを持つ人は珍しかった。

以前、彼女が躊躇なく人を助け、女子学生の額から流れる血を気にも留めなかった時から、この女の子は並々ならぬ存在だと分かっていた。

彼は本来、物事に淡白な性格で、余計な事に首を突っ込むのを好まず、自分と関係のない人とは関わりたがらなかった。しかし、彼女のこの強い意志を見てからは、このような人は貴重だと感じ、もし助けることができ、知り合えるなら幸運だと思った。

だからこそ、景雲昭が御天鮮と協力できると言った時、彼は無意識のうちにそれを信じた。

おそらく、これも同類の人間同士の引き合いなのだろう。

黎少雲は常に穏やかな笑みを浮かべ、とても紳士的に見えた。道中、時々言葉を投げかけたが、そのほとんどが景雲昭の現状を尋ねるものだった。

例えば、このような娘を育てた家庭はどんな家庭なのか。

また、景雲昭の成績はどうか、将来どんな大学に行きたいのか、大人になって何をしたいのか。

まるで年長者のように質問を投げかけていた。景雲昭は、この男性が二十四、五歳で良かったと思った。もし中年のおじさんだったら、きっともっとうるさかっただろう!

二十分ほどで、車は住宅地に停まった。そこには一軒一軒の小さな別荘があったが、特に豪華で目立つものではなかった。

杜霖は景雲昭に対して疑いを抱いていたものの、丁寧に彼女を家の中へと案内した。

家の中は静かで、老人が一人、台所で何かをごそごそとしていた。

「おや、お父さん、その氷は冷たすぎるでしょう。何を口に含んでいるんですか。早く出してください!」杜霖は二人を座らせた後、すぐに老人の元へ駆け寄り、心配そうな声が聞こえてきた。