第131章 突然現れた兄

景雲昭も唐おじいさまの疑いを察したが、彼女の年齢を考えると、きれいな言葉だけで疑念を払拭することは不可能だった。少し考えてから、思い切って言った。「唐子華さん、あなたの薬を見せていただけませんか?」

唐子華も景雲昭が本当にその実力があるのかを知りたかったので、彼女が口を開くと同時に、すぐにその小さな薬瓶を彼女の手に渡した。

磁器の瓶は全体が白く、手に取ると冷たく、古い時代の風格が漂っていた。開けて鼻先で香りを嗅ぐと、顔に自信の色が浮かんだ。

「麻黄、黒附子、甘草、白朮……」景雲昭は一気に十個近くの生薬の名前を挙げた。

この丸薬は実際にはそれほど大きくなかったが、非常に精巧に作られており、かなりの手間がかかったことが分かった。また、この調養法は霊玉に記されているものほど良くはないものの、それでも独特の命を救う処方であり、その医師の腕前の高さが窺えた。

景雲昭のこの言葉を聞いて、唐おじいさまは本当に興奮した。

孫に使用している命を救う処方は、彼と医師だけが知っているもので、孫でさえ中の二、三種類の薬材しか知らなかった。しかし、この景雲昭は、嗅覚だけで薬材を一つも間違えずに分析したのだ!

唐おじいさまは当然知らなかったが、景雲昭は毎日空間の中で長時間過ごしており、そこで栽培されている薬材の香りを覚えていないはずがなかった。さらに、この処方は霊玉の中にも記されており、少し考えれば推測できることで、全く難しいことではなかった。

「お嬢さん、いや、景お嬢様、もし本当に子華を救えるのなら、どんな要求でも応じますよ!」唐おじいさまは急いで言った。

財産など孫に比べれば何の価値もない!

「少し時間が必要です……」景雲昭は注意を促した。

「時間は問題ありません!」唐おじいさまはすぐに答え、さらに続けた。「こうしましょう。あなたは一中の生徒でしょう?今日は私が先に子華を連れて帰り、遅くとも二日以内に治療を始めていただきます。診療費はその時にまとめてお支払いします。もし子華の病気が本当に治るなら、これからはあなたのことは唐家の事、私たち唐家は永遠にあなたに感謝します!」

景雲昭はおじいさまがこれほど寛大だとは思わなかったが、彼女も唐家から何かを得ようとは考えていなかった。