第237章 カモ

景雲昭は少し驚いて彼女を見つめていたが、景秀の顔が真っ赤になっていることに気づき、どう説明していいのか分からないような様子で、最後には彼女の視線の下で頭を下げた。

「三妹と弟は物を漁るのが好きなの。とにかく気をつけて。それと...お父さんとお母さんから聞いたんだけど、今は自分で生計を立てているんでしょう？だから、お金はしっかり管理して...とにかく...お父さんとお母さんにはお金を、あげないで...」

その言葉を聞いて、景雲昭は一瞬固まった。

景秀は少し言葉を詰まらせ、とても緊張して後ろめたそうな様子で、景雲昭が着替えを終えると急いで出て行き、まるで何も言わなかったかのようだった。

景雲昭は唇を引き締め、カバンを持って出て行った。

案の定、彼女が出て行くや否や、景玲がすぐに後を追って部屋の中を覗き込み、欲しいものが見つからないと、直接景雲昭に向かって言った。「お姉ちゃん、古着はどこ？」

「片付けたわ、どうかした？」景雲昭は分かっていながらも聞き返した。

「新しい服に着替えたんでしょう？古い服は私にちょうだい！」景玲も遠慮なく、ストレートに言い放った。

景雲昭は冷ややかに笑った。

最初から素直に服がないと言ってくれれば、次回には何着か持ってきて直接あげるつもりだったのに。なのに彼女ときたら、計算づくで強奪しようとする？

親族として認めるのは間違いないけど、カモにされるためじゃない。

「それは私の服よ。着なくなったとしても私のものだってことが分かる？」景雲昭は眉を上げ、体を後ろに引いた。景玲がまた突然手を伸ばしてくるのを避けるためだ。

そう言われた景玲は、すぐに不機嫌になった。「どうしてそんなにケチなの！見てよ、あなたの着てる服はすっごく可愛いのに、私と姉ちゃんには可愛い服なんてないのよ。新しいのを買ってくれとは言ってないでしょう。古着だけなのに、なんでダメなの？！」

景雲昭は呆れて笑ってしまった。この価値観は、申し訳ないけど理解できない。

他人が持っていないからって、自分のものを譲らなければならないの？強盗の論理じゃない？

「景玲、頭大丈夫？まずこれは私のものだから処分する権利は私にあるでしょう。それに、このサイズとデザインじゃあなたには合わないわ。あなたの体型じゃ着こなせないでしょう？」