第238章 子は母の醜さを嫌わず？

実は景明凱と景玲だけでなく、王新芳も景雲昭が毎日何を持ち歩いているのか気になっていた。

彼女が景雲昭を見かけるたびに、そのバッグを持っていた。さっき入ってきた時に手を伸ばして持とうとしたが、景雲昭は笑って断った。まるでそのバッグは誰も触れてはいけないかのように。

景雲昭もそれを予想していたので、聞こえないふりをした。

このバッグは彼女の目くらましで、空間から物を取り出す時はいつもバッグで隠していた。実際の中身は人目を欺くためのちょっとした小物だけだった。

「バン」という音と共に、景明凱は箸を置いた。「嫌だ！お姉ちゃんが何を隠しているのか見たいんだ！」

「明凱、やめなさい……」王新芳は自分の息子をどうすることもできなかった。

「騒いでなんかいない！お父さんとお母さんは、きっと姉さんにいいものを買って、僕には見せないんでしょう。前に姉さんが外に捨てられて可哀想だって言ってたけど、どこが可哀想なの？僕たちより良い服着て、お金使い放題で。僕にはそんなに優しくないじゃない！姉さんにそんなに良くするなら、僕は学校行くのやめるよ。その分のお金全部姉さんにあげれば？」景明凱は泣きながら叫んだ。

これを聞いた王新芳の顔が真っ青になった。

息子は小さい頃から学校が嫌いで、成績も良くなく、毎朝学校に行く時はいつも説得が必要だった。以前は言い訳して怠けることもなく素直に聞いていたが、今度はこれを機に学校を辞めようとするのではないか？

娘が学校に行くか行かないかは彼女にとってどうでもよかった。どうせ将来は嫁に行くのだから、今いくらお金をかけても結局は他人の家のためになる。息子は違う。この家族にとって唯一の宝物で、将来は勉強して出世し、彼らの老後の面倒を見てくれることを期待していた！

傍らにいた景鐵軍の少し朴訥な顔も、景明凱の騒ぎに動揺していた。

「雲昭ちゃん……弟さんがバッグの中身を見たがってるんだから、肉が落ちるわけでもないし、開けて見せてあげたら？」王新芳がようやく口を開いた。

景雲昭は皮肉っぽく笑った。やはりそうか。

これが親子の再会初日なのに、もうこんな調子。これからはもっと良くならないだろう。

この景明凱が口を開けば、この家の女の子は我慢しなければならないのか？