第269章 貧しきを嫌い富めるを愛す

徐おじいさまは彼女の診療費を一般の医師では到底及ばないほどの高額に設定し、夜になると、特別に行淵おじさんに電話をかけさせて彼女に説明させた。

この世の中には安物に良い物なしと考える人が多く、特に彼女のような若い娘が数十元の診療費しか取らないとなると、たとえ患者を治療できたとしても、その患者は他人に彼女を推薦する勇気が出ないだろう。

診療費が高額になれば、逆に彼女に対して尊敬の念を抱き、何か凄いところがあるに違いないと考え、さらには高額な診療費が一種の保証になると考える。そうでなければ、患者の家族は彼女のような子供が戯れているだけだと思うだろう。

景雲昭はこれを聞いて苦笑せざるを得なかったが、徐お爺さんの考えは緻密だと認めざるを得なかった。

もちろん、このお爺さんは彼女に金儲けばかりを考える悪徳医師になれと言っているわけではない。彼の意見では、彼女は患者の状況に応じて診療費を設定できる。結局のところ、彼女には医術があり、絶対的な主導権を持っているのだから、患者の支払い能力に応じて決めても構わない。

徐おじいさまにこう教えられ、景雲昭は急に心が広くなった。ただし、徐お爺さんは後に景雲昭がこの方式をどれほど徹底的に実行するかまでは想像できなかっただろう!

この日曜日、景雲昭は目が回るほど忙しかった。

学校に通うことは、今では彼女にとってむしろリラックスできる時間となっていた。

月曜日の早朝、学校の外には百人以上もの人々が集まっていた。

これらの人々は横断幕を掲げ、正義に満ちた表情をしていた。通りかかる生徒たちは皆困惑した表情で、何が起きているのか全く分からず、遠くから好奇心を持って状況を見守っていた。

景雲昭と蘇楚は校門に着いて横断幕の大きな文字を見て、足を止めた。

「女子学生が貧しい実の両親を見捨て、金持ちに媚びを売る、才はあれど徳なし!」

蘇楚は他のことは考えもせず、景雲昭が立ち止まるのを見て、不思議そうに尋ねた。「お姉ちゃん、どうしたの?」

「楚楚、私から離れていなさい。でないと後で巻き込まれるわよ」と景雲昭は言った。